胸を張れB型③

ABO式血液型 (豆知識編①)

 

人間は細胞内に 46本の染色体を持っていますが 観察すると

 

23種類の染色体から 出来ていることが 分かります。

 

人間は この23種類の 染色体の中に 自分の情報を

 

すべて しまいこんでいるわけです。

 

この23種類の染色体を さらに よく見ると

 

男女共通の22種類と 性別を決定する染色体 からできています。

 

そして 性別を決定する染色体には

 

X染色体とY染色体があることも 分かります。

 

男女共通の22種類を常染色体

 

性別を決定する染色体を性染色体といいます。

 

人間は これらの23種類をそれぞれを 2本ずつ 持っています。

 

ただし、性染色体の組み合わせは 

 

男はX染色体とY染色体を 一本ずつ

 

女は2本とも X染色体 となります。

 

常染色体22種類×2  + 性染色体2本

 

= 44         + 2 ( 男 XY 女 XX )

 

= 46 本

 

ということです。

 

赤ちゃんに伝えるときは お父さん お母さんは

 

自分の持っている23種類の染色体を 1本ずつ伝えます。

 

46本そのまま 伝えたら 赤ちゃんの 染色体数は

 

92本になってしまうからです。

 

そのために 精巣や卵巣の中で 減数分裂と呼ばれる

 

細胞分裂を行って 23種類を1本ずつにして

 

精子と卵に入れています。

 

こうすることで 精子と卵が めでたく受精した場合

 

  精子中23本 + 卵中23本

 

= 受精卵中46本 となるわけです。

 

H型物質をつくるための遺伝子と

 

A型物質 B型物質に関する遺伝子は 

 

常染色体上に 乗っています。

 

具体的に言うと

 

H型物質をつくるための遺伝子は

 

22種類のうち19番目の染色体上

 

A型物質 B型物質に関する遺伝子(ABO糖転移酵素)は

 

9番目の染色体にある ことが 分かっています。

 

9番目の染色体上に乗っている 遺伝子によって

 

次のように 分類されるわけです。

 

A型物質をつくる遺伝子が乗っている→A型

 

B型物質をつくる遺伝子が乗っている→B型

 

血液型物質をつくる遺伝子が不活性→O型

 

親の一方から伝えられた 9番目の染色体に

 

A型物質(B型物質)をつくる遺伝子

 

他方から伝えられた 9番目の染色体

 

不活性型遺伝子ならば 

 

子供は A型(B型)になります。

 

これは 遺伝子A 遺伝子Bは 遺伝子Oに対して

 

優性( AとOが一緒に伝えられたならば

 

Aが読まれるということ。Bも同様 )だからです。

 

では AB型は どのようにして できるか?

 

普通 9番目の 染色体上1本の上に

 

A型物質 B型物質 両方の 遺伝子が 

 

同時に 乗ることは ありません。

 

両親の一方から伝えられた 9番目の染色体に

 

A型物質をつくる遺伝子 

 

他方から伝えられた 9番目の染色体に

 

B型物質をつくる遺伝子が 乗っていると

 

子供は AB型になるわけです。

 

このようにしてできた AB型を

 

トランスAB型 といいます。

 

ところが まれにですが

 

一本の染色体に A型物質 B型物質

 

両方の遺伝子が乗ることがあります。

 

たとえば お父さんの9番目に ABが乗ったとします。

 

お母さんがBを伝えたとすると

 

子供は ABO式血液型では 

 

考えられない血液型を持って 生まれてくるのです。

 

AB型 B型 両方持っているのですから。

 

このようにして 誕生したAB型は

 

シスAB型と呼ばれています。

 

 

ABO式血液型 (豆知識編②)

 

なお 先ほどは 人間誰もが H型物質を持っていると

 

書きましたが 正確には ボンベイ型といって

 

通常のO型同様に A物質 B物質を 持たず 

 

なおかつ この9番目の遺伝子を 発現しない人が 

 

ごくまれにいるのです。

 

A物質 B物質がないので

 

一見 O型にみえますが

 

H型物質も 持っていないので O型ではありません。

 

この血液は ABO式血液型では 分類できないのです。

 

各血液型が 同じ 血液型から 輸血しないと

 

凝集(血液が固まってしまう)が起こって

 

命にかかわるように 

 

ボンベイ型は ボンベイ型の血液でないと 輸血できません。

 

だから O型と間違って 輸血したら 大変なことになります。

 

 

この血液型は たいへん珍しく

 

100万人に一人しか いないと言われています。

 

世界約70億人の中に 7000人しかしないことになります。

 

現在の日本 約1億2700万人中なら

 

127人しか 存在していないことになります。

 

日本が 島国で この血液が 外から入ってきにくいことを

 

考えると 50人もいないと言われています。

 

この人達は 大ケガをして 大量の輸血が必要となった場合 

 

血液を確保することが 難しいかもしれません。

 

ABO式血液型 (豆知識編③)

 

詳しいことは 分かりませんが 

 

分子発生学上 血液型はO型が最初ではなく

 

A型から 始まったそうです。

 

A型→O型→B型→AB型 の順で

 

発生したことが 分かっています。

 

ABO式血液型(豆知識編④)

 

(1) 各血液型の存在比率は 地域 国 人種で 異なっていますが

 

  世界中で 最も多いのが O型です。

 

(2) 日本は A型 : O型 : B型 : AB型

 

  =4:3:2:1です。

 

 ブラジルやアルゼンチンなど 中南米では O型が多く

 

 50%近い比率を 占めています。

 

 この地域の 原住民になると ほぼ100%が O型だそうです。

 

 B型は 中央アジアに多く インドでは 一番多い血液型で

 

 40%が B型だそうです。

ABO式血液型(豆知識編⑤)

 

動物 植物 と ABO式血液型

 

植物・・・8割がO型。

 

  カエデは 血液型によって 色が異なる。

 

  O型が赤 AB型が 黄色に 色づく。

 

動物

(1)   A型が多い動物(9割 残りはO型) 

 

   ブタ ネコ 魚 

 

(2)   A型かO型・・・・チンパンジー

 

(3)     B型 ・・・ゴリラ ウシ カメ クジラ

 

(4)     AB型が多い・・・カエル 

 

 

以上で 各血液型の構造説明を 終わりにします。

 

何かの時に お役立て 下さい。

 

 

-胸を張れB型④へ続く-

 

以上で 各血液型の構造説明を 終わりにします。

 

何かの時に お役立て 下さい。

 

 

-胸を張れB型④へ続く-