新幹線のぞみ焼身自殺5

中巻① 見えてきた 悩んでもムダな思いの項に 書きましたが

 

当時の僕は 毎日 同じような時間帯に 考えることを 繰り返していました。

 

何百回と繰り返していた ある日から 同じことを

 

考えているうちに 自然と 心が整理されてきて

 

ピンと答えが ひらめくように なったのです。

 

そういう時は 澄み切った状態の中にいる自分を 感じていました。

 

考え疲れて ふと 前を見ると 山と田んぼしか ありません。

 

そして ゴロンと 寝転ぶと トノサマバッタが ぴょんぴょんと 跳ねています。

 

すると ただ 漠然とながめていた 景色 虫たちの動きから 言葉にはならない

 

ある気配を 感じるのです。

 

目には見えないが 1つの きちんとした 流れがあると

 

はっきり 感じられるのです。

 

自然の摂理とでも 言ったらいいのか

 

今まで 自分と周りを 分離していた意識が つながって

 

 ああ 1つなんだ。僕は この世界の仲間 存在していていいんだ。

 

おまえは この世にとって ジャマ者 なんて 言われているけど

 

僕もいていいんだ。 皆 仲間 つながっているんだなぁ~ 

 

という感覚です。この感覚については 何度も 他の本で書いています。

 

こういう時 キーンキーン とか シーンシーン とかいう音が

 

頭の中で 鳴り響き続けることも ありました。

 

その音を聞いていると とても 心がリラックスしてきて

 

全身から力が抜け 透明になっていく感覚すら ありました。

 

おそらく これは 僕だけの 特別な感覚ではないと 思います。

 

自然の中で 育った人なら 子供時代 ここまで はっきりしたものでなくても

 

誰もが感じたものだと 思います。

 

することもなく ゆったりとした 時間の中で

 

海に沈んでいく 真っ赤な夕日を眺めたり

 

鳥や虫の声を聞いたり

 

寝そべっている時 体をやさしくなでていく風を感じたり

 

月や夜空の星を眺めたり

 

そういう中で 少なからず 感じる感覚です。

 

自分のことばかり考えて 悩んでいる自分の意識を

 

その世界から 切り離してくれました。

 

その瞬間が はっきりと 知覚できました。意識が スーっと 広がっていき

 

呼吸が とても 楽になるからです。

 

すると 自分で 答えが 近づいていると 分かるのです。

 

そして「 来た これだ!」と 感知されるものでした。

 

だから いじめの期間 自然と触れる 生活の中にいたことは

 

とてもラッキーだったと 思っています。

 

いじめで どうにも ならなかったら 環境を変えて こういう田舎に引越し

 

自然と触れ合うことは 心の傷を 癒すのに 効果があると 思います。

 

そして この摂理を感知する感覚は 子供の頃の方が

 

まちがいなく 鋭いものです。

 

だから 都会の子供は なるべく 夏休みなどを利用して

 

田舎の自然に触れること。

 

できれば その中で ボーッと する経験を

 

させた方がいいと 思います。 

 

-続く-