お母さんが悪いわけ? 3

お母さんも 少し 気まずく思ったのか スマホを出して ゲームをし始めました。

 

しかし 少しすると 子供が お母さんに ウルトラマンの話を し始めたのです。

 

「 ねぇ 今度 新しい ウルトラマン 始まるんだよ 」

 

お母さんは イラッとした顔を 向けると そっけない 返事をしました。

 

「 それが何? どのウルトラマンも 結局は 同じでしょ。

 

最後は 何とか光線で やっつけて 終わり 」

 

「 ちがうもん 」

 

彼は 不満そうに 答えました。

 

「 くだらない話しない! あんなの つくり話でしょ。

 

そうやって 新しいウルトラマンつくって 子供を

 

ひきつけるのが テレビなの 」

 

突き放すような 言い方をすると お母さんは ゲームを 再開しました。 

 

「 そんなこと言いながら お母さんだって 僕くらいの時 見たんでしょ」

 

「 ・・・・・・・ 」

 

お母さんは 返事もせず ゲームを 続けています。

 

僕は 自分の意にそぐわない話には 耳を貸さない 母親の態度に 呆れました。

 

「 家に帰っても こうなのかな? そうだとしたら

 

ちっとも 楽しくないよな 」

 

こう思いながら 彼を見ると 彼は お母さんの顔を じっと見ていました。

 

それなのに お母さんは 無視して ゲームを 続けていました。

 

すると 1 2分も しないうちに 息子は また 鼻歌を 歌い出したのです。

 

「 ねぇ うるさい! バカだって 思われるよ。お母さんに 恥かかせないの。

 

ああ もう 分かった ウルトラマンなしだからね 」

 

「 なんで・・ 」

 

鼻歌をやめ 息子は すぐに 聞き返しました。

 

「 だから ウルトラマンなしだって 言ってるでしょ 」

 

「 だから なんで・・ 」

 

「 それよりあんた 塾の宿題 終わってるんでしょうね 」

 

今度は やや脅すような口調で 母は話題を 変換して ごまかしました。

 

しかし 息子は ウルトラマンについて 再び 聞いたのです。

 

「 どうして ウルトラマンだめなの? 一週間で 一番の楽しみなのに 」

 

「 あんた お母さんの言ったこと 聞いてたの?

 

塾の宿題は どうしたって聞いたんでしょ。

 

終わってるんでしょうね 」

 

お母さんは またもや 強引に 話題を ウルトラマンから そらしました。

 

「 ううん あと少し 残ってる。帰ったら やろうと思ってた 」

 

「 うそつきなさい。本当は やろうなんて 思ってなかったんでしょ。

 

怒られるから 言っただけでしょ 」

 

お母さんは 彼の言葉を 信じず 彼を 問いただしました。

 

「 ほんとだもん やろうと 思ってたもん 」

 

僕は 彼が ウソを言っていないと 感じました。僕にも 経験があるからです。

 

このような時 ウソだと 怒って ごまかそうとすることが 多いからです。

 

たとえば こんな場合です。

 

「 こらっ 部屋きたないよ 掃除しなさい 」

 

と 母に 叱られた時です。

 

本当に 掃除しようと 思っている時は

 

「 うん ごめん 汚いね。そろそろ 叱られそうだから 片付けなきゃと

 

思っていたんだ。これからやるよ 」

 

と 素直に 聞き入れることができます。 

 

しかし そうでない場合は

 

「 今 やろうと 思っていたんだってば うるさいんだから~ 」

 

なんて 答えてしまいます。

 

読者の中には 思い当たる方も 多くいらっしゃると 思います。

 

-続く-