お母さんが悪いわけ? 6

彼に 今 必要なのは 話を 聞いてあげることなのです。

 

ただ それだけなのです。

 

そうすれば 彼は 落ち着くようになり

 

いろいろなことに やる気が 出てくると思います。

 

まだ 7 8歳 なのです。

 

お母さんに 触れていたいのです。

 

そして 確かめたいのです。

 

自分が 大切だと 思われていることを!

 

もっと 自分に 関心を 持ってもらいたいのです

 

だから ウソをつき 鼻歌を 歌っているのです。

 

このお母さんの 励ましは 励ましではなく

 

心の虐待です。

 

お母さんが 1年生で これだけできた などと言えば 

 

子供は できない自分を ますます責め

 

卑屈になっていきます。

 

ダメな子ね!

 

毎回 あんたのせいで 嫌な思いをしている。

 

お姉ちゃん お兄ちゃんは できたのに できないのは あんただけだよ。

 

これでは 自分は そういう人間なのだと

 

彼は 思い込んでしまいます。

 

彼の 心の中には きちんと 挨拶したい

 

できるように なりたいという気持ちが

 

必ず あるはずです。

 

それだけでなく 今まで ダメだと言われた分を

 

取り戻そうと ただの 自己紹介以上のものを

 

自分に課しているのだと 思います。

 

もちろん 無意識ですが。

 

この見栄や注目されたいという

 

意識が働きすぎると

 

かっこよく 自己紹介するには

 

どうしたらいいのか

 

と 余計な プレッシャーが 生まれ

 

ますます 言葉が 出なくなってしまうのです。

 

だから 「 普通でいいんだよ 」と

 

お母さんが 少し手伝ってあげるとか

 

工夫をしてあげれば

 

言えるようになっていくと 思います。

  

たとえば この親子が 山本 洋子 山本 勇太だとします。

 

「 ◆◆君 こんにちは 自己紹介させて 頂きます 」

 

と にこやかに笑い 息子にも 微笑みかけるのです。

 

こうやって 挨拶を始める前に 息子と一体感を 持ちます。

 

「 まず お母さんからね。 山本 洋子って 言います。

 

じゃ 次 勇太の番よ 」

 

と 助走を つけてあげるとか

 

「 ねぇ 勇太 お母さんの 自己紹介 手伝ってくれる。じゃ 行くよ。

 

◆◆君 私とこの子の 苗字は 山本っていいます。そして 私の名前は

 

何だっけ? お母さんの名前 勇太 教えて あげてくれる? 」

 

とか するのです。

 

子供は お母さんを 助けたいですから

 

だいたい 手伝ってくれます。

 

ここまで できれば 自分の名前も 言えるようになります。

 

いろいろ その子にあった方法が あるはずです。

 

「 どうして できないのよ 」と 

 

恥ずかしがっている 気持ちを 否定するのでなく

 

受け入れて あげれば

 

その子に どんな 助け舟を出せば

 

自信をつけられるか 分かってくるのです。

 

この彼は 

 

「 九九ができなくても そのままで おまえは 誰よりも 大切な子 」

 

という心に 触れたいのです。

 

それを認めてあげないで

 

習ったのに どうして言えないと 現在を 否定し

 

このままでは これから 皆にバカにされると 

 

未来も 否定することは

 

子供の心を 大きく 傷つけます。

 

このお母さんも そうですが

 

しつけと称して 子供(生徒)を

 

教育(指導)し 

 

言うことを きかないと 恫喝する 親(先生)は

 

怒っているのではなく 叱っているのだと

 

平気で 言います。

 

それこそ 明らかに分かる ウソです。

 

-続く-