ケンカできない子よりできる子に3

「 いやいや できのいい コウちゃんは

 

そんなこと しませんて。健ちゃんだからですよ。

 

本当ですって そう 言ったんです。

 

ふつ~は 先生が 割って 入って

 

ストップさせるでしょ。

 

そして お互いの 言い分聞いて

 

ジャッジ 下すでしょ 」

 

「 おお~ きっと 俺も そうしたに違いないって。

 

だろう~ 」

 

僕は なんとなく 自分がやったことを

 

思い出してきましたが

 

また とぼけて 聞いてみました。

 

「 先生 チャイムなっても 黙って 見続けて 二人が 

 

ヘロヘロになったら やっと 止めたって言うか

 

口 開いたんですよ 」

 

「 ふ~ん 何て 言ったの? 」

 

「 ドロ~って 二人とも 授業で 息整えな。

 

そしたら また 続き見せてくれ。 お~い

 

委員長 号令頼む 始めんぞって 」

 

僕の 思い出した通りの 展開でした。

 

「 それで? 」

 

「 不思議と 号令で 普通に 授業始まって でも 

 

二人とも 最初のころ ハアハア 言っていましたよ 」

 

「 あっ そう それは 良かったね。それで おしまい? 」

 

「 まさか そこからが また 健ちゃんの真骨頂 

 

普通と全然違う。ぶったげましたよ。

 

普通 何が原因だとか 聞くでしょ?

 

いっさい 聞かない。

 

それどころか 何て 言ったと 思います? 」

 

「 いやいやいや~ 二十年近く前のことだろう。

 

まったく 覚えてない。そんなにやりたかったら

 

二人そろって 俺が相手してやるから

 

後で かかって来いとでも 言ったか? 」

 

「 まったぁ~ そんなこと言ったら

 

向かっていく わけないじゃないですか。

 

ボコられちゃうから。

 

それに そう言ったとしたら 

 

それって ケンカを ある意味 止める ための言葉でしょ。

 

そんな 普通の まあ それでも普通じゃないけど

 

そんなこと 言いませんでしたよ 」

 

生徒は しらばっくれちゃってという顔を

 

向けてきました。

 

-続く-