「 いやいや できのいい コウちゃんは
そんなこと しませんて。健ちゃんだからですよ。
本当ですって そう 言ったんです。
ふつ~は 先生が 割って 入って
ストップさせるでしょ。
そして お互いの 言い分聞いて
ジャッジ 下すでしょ 」
「 おお~ きっと 俺も そうしたに違いないって。
だろう~ 」
僕は なんとなく 自分がやったことを
思い出してきましたが
また とぼけて 聞いてみました。
「 先生 チャイムなっても 黙って 見続けて 二人が
ヘロヘロになったら やっと 止めたって言うか
口 開いたんですよ 」
「 ふ~ん 何て 言ったの? 」
「 ドロ~って 二人とも 授業で 息整えな。
そしたら また 続き見せてくれ。 お~い
委員長 号令頼む 始めんぞって 」
僕の 思い出した通りの 展開でした。
「 それで? 」
「 不思議と 号令で 普通に 授業始まって でも
二人とも 最初のころ ハアハア 言っていましたよ 」
「 あっ そう それは 良かったね。それで おしまい? 」
「 まさか そこからが また 健ちゃんの真骨頂
普通と全然違う。ぶったげましたよ。
普通 何が原因だとか 聞くでしょ?
いっさい 聞かない。
それどころか 何て 言ったと 思います? 」
「 いやいやいや~ 二十年近く前のことだろう。
まったく 覚えてない。そんなにやりたかったら
二人そろって 俺が相手してやるから
後で かかって来いとでも 言ったか? 」
「 まったぁ~ そんなこと言ったら
向かっていく わけないじゃないですか。
ボコられちゃうから。
それに そう言ったとしたら
それって ケンカを ある意味 止める ための言葉でしょ。
そんな 普通の まあ それでも普通じゃないけど
そんなこと 言いませんでしたよ 」
生徒は しらばっくれちゃってという顔を
向けてきました。
-続く-
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