デスノート5

書き込んだ文字が うめき声を上げて 黒いススへと 変わっていく

 

感じがしました。

 

僕はじっと その様子を 見ていたのです。

 

怒りの断末魔を 見ている気がしました。

 

半分ほど燃やすと その火で 次のノートに 火をつけました。

 

僕は 火がついた二冊のノートを 穴に投げ込みました。

 

二冊は メラメラと 大きな炎を上げて 燃えていました。

 

その火で 三冊目に火をつけ 二冊の上に 落としました。

 

炎はますます 大きくなり 燃えて 黒くなった紙が

 

ひらひらと 舞い上がっていきました。

 

僕の心は それを見て 軽くなっていきました。

 

怨念のこもった文字が燃えて 消えていくことで

 

彼らに対する 憎悪がなくなっていく 感じがしたのです。

 

五冊すべてが 燃えるまで 生き物のように燃え広がる 赤と黒

 

そして 舞い上がっていくススを 交互に眺めていました。

 

すべてが 燃え尽きると 穴には 真っ黒い 燃えカスだけが 残りました。

 

「 消えてなくなった。さようなら 」 

 

僕は 燃えカスに こう言うと 燃えカスに 土をかぶせ 穴を埋めたのです。

 

不思議なことに 僕の心は 魔界から 普通の世界に 戻っていました。

 

僕は上巻 名前の項で 心の中身の出し入れは 簡単にはできないと書きました。

 

しかし この時 この方法なら 心の中にたまった 悪い思いを

 

吐き出させることができると 思いました。

 

このデスノートをつくり 燃やす方法は ため込んだ怒りを

 

吐き出させる方法としては 良い方法でした。

 

気持ちが悪い 呪い術のような 方法でしたが 効果がありました。

 

始めたきっかけは 最悪でしたが 終わってみれば 結果オーライと

 

なりました。

 

もし 僕のように 心が魔界に入り込むようでしたら 是非

 

試してみて下さい。

 

人に見られることもないし 迷惑もかけず 心がすっきりする

 

方法です。手加減してはいけません。思いっきり書くのです。

 

これがポイントです。

 

こんなことを 書く 自分は 本当の自分ではない 

 

こんな怒りは 抑えなくてはいけないと 思ってはいけません。

 

そうした思いが より強く 心の内側に 怒りを へばりつけさせて

 

いたのです。思いっきり 怒りを吐き出さない限り きれいなエネルギー

 

は心に 増えていかないのです。

 

魔界に入り込まないで このノートを 作っていたならば

 

僕の心は これほどまでに スッキリはしなかったと 思います。

 

 僕は 3年生の時 自分を悩ます 憎しみを 消す方法として

 

この「 死ね 殺すノート 」=「 デスノート 」と

 

もう1つの方法を 活用しました。

 

もう1つの方法は 下巻に書いてありますので 手直しが終わり

 

出版されたら お読み下さい。

 

僕は 人を憎んだことや 殺そうと思ったことを 

 

ある時期は 自分のトップシークレットとしていました。

 

しかし しだいに それは 心の中の 秘密領域から

 

どうでもよい領域に 追い出されていたようです。

 

昔 九九が出来ないことを 隠していた人間が 暗算チャンピンになれば

 

「 ああ 僕は 昔 九九すらできなかったよ 」と 平然と 言えるように

 

なります。過去に悩んで 隠していた問題でも 今 クリアできてしまうと

 

過去の辛さは 消えてしまうのです。

 

ですから 今を大切に生きることは 過去の呪縛を 取り除くことにもなり

 

新しい心の秘密をため込む スペースを生み出します。

 

ここに新しい秘密を持てば ますます魅力的な人間になれるということです。

 

-続く-