いじめっ子の狂気１

いじめっ子の中で　ひときわ僕に憎悪の目を向ける奴がいました。

 

Ｅとしておきます。

 

最初の頃は　ちょっと おどおどしていて「おまえもやれよ」と

 

言われて 手を下していたのに　

 

だんだんと そうでなくなってきたのです。　

 

そして　いつの頃からか　複数で押さえつけられた時など

 

決まって最後に 頭を踏みつけたり　ツバをはきつけたりして

 

憎憎しい顔を近づけてきたのです。

 

それも　その行動は　回を増すごとに　ひどくなってくるので

 

「　こいつ　どうして？　」と感じるようになりました。

 

でもＥは　このグループの中では　下っ端のようでした。

 

なんとＥは　昔いじめにあっていたらしいのです。

 

僕が数人がかりで押さつけられ　痛めつけられている時　

 

仲間に　こう言われていたのです。

 

「 Ｅ　おまえも強くなったよな。昔はいじめられて

 

泣いてたのに　」

 

Ｅは少しバツが悪そうに　答えました。

 

「　あの頃は弱かったから。やっぱり男は 強くなんなきゃ。

 

あ～気持ちいい。強いっていい　」

 

僕はこの会話を聞いて　Ｅが分かりませんでした。

 

「　]強い？　どこが？　いじめる奴の　金魚の糞になってる

 

だけじゃないか！　いじめられていたのに　こんなことして

 

何とも　思わないのかよ。くそったれ～　」

 

僕は思わず　叫んでいました。

 

「　思うよ　もっともっと　いじめたいってな！　」

 

彼は僕に　ツバを吐きかけると　ああ～ん　分かったかという顔で　

 

答えたのです。

 

僕は　じっと睨みつけながら　こみ上げてくる怒りを感じていました。

　　

「　こいつウソついてる。最初は　嫌々やってたじゃないか。

 

でも　何でこんなに　俺のこと憎んでるんだ。何だこいつは？　」

 

Ｅの毎回の行動に　僕もＥに対して　憎悪の気持ちが強く

 

なっていきました。

 

－続く－