いじめに回る心の弱さ2

「 おっ ここにも バッタいそうだよな 捕まえようかな~ 」

 

Eは ふざけたことを言い 辺りを軽く 見渡しました。

 

「 おまえ一人か? 」

 

僕は 言いながら Eの後ろに気を配りつつ 立ち上がりました。

 

「 おまえなんか 一人で十分だろう。今日も泣かしてやるぜ 」

 

彼は余裕しゃくしゃくで 答えてきまた。

 

彼は前回のことで 気が大きくなっていました。

 

一人でも 僕に勝てると 勘違いしていたのです。

 

一年前は 確かに一人でも 僕を投げ飛ばしていました。

 

でも三年生になった僕は 一対一では まず負けなくなっていました。

 

チャンスだと思いました。

 

僕は スッと無言のまま まっすぐ Eに向かっていったのです。

 

「 な なんだ? おまえやるつもりか 」

 

そう言いながら 気遅れしたのか Eは一歩下がりました。

 

僕は すばやく飛び込み 腹にパンチを入れたのです。 

 

ふいをつかれて もろにもらったEは やや くの字になりました。

 

僕はEを引き寄せながら 彼の腹に 何発か膝蹴りを入れました。

 

すると Eは その場に ガクリと 片ヒザをついたのです。

 

一瞬 僕に 戸惑いが 生じました。

 

自分の中に 彼に対する 強い感情があるのを 知っていたからです。

 

僕は これまで 何度か ケンカで「 やりすぎたな 」と 

 

後悔したことがありました。

 

その相手は全部 Eのように 大きな憎しみを感じていた相手だったのです。

 

そのため 「 これ以上は・・・ 」というためらいが生じたのです。

 

すると その一瞬をついて 彼は僕に タックルを仕掛け 

 

僕を後方に押し倒そうとして来ました。

 

-続く-