友達は数より質が大切9

「 信心がたり~ない カ~ツ!! 」

 

「 先生 俺真剣なんですから ちゃんと答えて下さいよ 」

 

「 俺だって 真剣さ。友達つくりたいなら 相手を信じろよ。

 

おまえの その気持ちが相手に伝わって バリアはられちゃうよ。

 

いずれにしても 次回からは もう無理するのを やめたら

 

いい。おまえの そのまんまで いいんじゃないの 」

 

「 そのまんまって な~んか 適当だな。 だいたい 

 

そのまんまになったら 俺 話すこと何もないです。

 

どんなこと 話せばいいんですか? 」

 

「 俺 この間10秒続く 屁しちゃったとか 数学5点だった

 

赤点になりそうでヤバイとか この間 こんな失敗したとか

 

そんな話題の方が 相手も安心すると思うよ。最新の情報を提供

 

して 話題作りするより ずっと友達になりやすいと思うよ 」

 

「 俺 もっと長い屁したことありますよ 」

 

「 おお~ いいね へロングマンと 呼ばして頂く 」

 

「 呼ばなくていいです。でもそんな話をして バカにされないすか?

 

それにへロングマンなんて 呼ばれるようになったら嫌ですよ。

 

俺 バカにされるのが 嫌いなんです 」

 

「 そ~ら また怖がってる。もしかしたら バカにされっかもな。

 

それに へロングマン いいじゃんか。俺なら 気に入るぜ。

 

それに俺なんか どんだけバカにされてきたか?

 

でも それでいいんじゃない。

 

相手も おまえに失敗談話しても大丈夫だなって 心を開いていくと

 

うよ。友達って 見栄を張りあうためのものじゃないんだから。

 

ママ友とかの中には そういういるみたいだけど それは友達じゃない。

 

神経すり減っちゃうような友達なら いない方がずっといいよ 」 

  

「 う~ん ハードル高いな~。そこまで自分を落とさないと

 

あいつらの仲間になれないんでか? 」

 

「 落とす? おまえ ありのままのおまえは ダメな奴なのか?

 

そうじゃないだろ 自信持てよ。 それに なんで あいつらと

 

友達になりたいんだ? 」

 

「 だって どの授業の時も あいつら茶化し入れるし

 

嫌な茶化しじゃないし 皆喜んでるじゃないですか。仲間に入れば

 

一番楽しめそうじゃないですか? 」

 

「 あのさ 友達を作ろうと焦ると 

 

たくさん仲間が集まっているグループに 入りたくなるってのも分かるよ。

 

でもクラスの中心的なグループが 自分と似た性質を持っていれば

 

仲間になりやすいけど 違っていると難しいよ。

 

話を合わせようと 無理するから つき合いを持続するために 

 

余計なエネルギーを使っちゃう。こういうのは 長続きしないと思うよ。

 

おまえ あいつらの話題に 本当に興味あるの?

 

無理してネタ集めしてるんなら 波長が合わないってことだよ 」

 

「 ビミョ~。でも まあまあ興味ありますよ 」

 

「 ならいいけど。無理に話題についていこうとすると

 

自分の持っている情報を ひけらかす感じになって

 

上手くコミュニケーションが取れないよ。

 

それより まずクラスで 自分と同じうな奴いるか 探してみなよ。

 

そいつの方が 仲良くなりやすいよ。その方が無理しなくてすむと思うよ。

 

クラスで おまえみたいな奴 まだいるぞ。俺はもう見つけた。

 

休み時間 廊下で一人 教室内を覗いてる奴がいた 」

 

「 だ 誰ですか そいつ? 」

 

「 ○○だ。まず あいつから 話しかけてみろよ。あれはどうみても

 

友達探しているな。類は友を呼ぶっていうだろう。

 

だから まず 自分と波長の合う相手から 話しかけてみろよ 」

 

「 ええ~○○ですか。 なんか暗そうじゃん。同じじゃないですよ 」

 

「 おまえ あいつが暗いかどうかなんて 話してみたことないくせに

 

失礼だぜ。おまえと同じで 自分が傷つくことが怖いって意味で

 

同じなんじゃないかな? 」

 

「 結局 先生は 俺が臆病だって言いたいんですか? 

 

俺が知りたいのは そんな人間分析じゃなくて 友達を作る方法なんです。

 

俺 さっき言ったように マジに悩んでんですよ 」

 

彼は 少し イラついた口調で 僕に詰め寄ってきました。

 

「 はっきり言って そうなのかもしれないな。ほんのちょっと

 

勇気が足りないな。それは声かける勇気じゃないよ。

 

おまえは 自分を 見られたい自分でないように見られてしまうこ

 

怖がっている。そんな自分を認める勇気だよ。それが足りない。

 

さっきから何度も 答えは出るし おまえも 最初から答えを持って

 

ここに来たんだよ 」

 

「 えっ? 意味が分かりません 」 

 

「 おまえ何で俺に相談したんだ。いっぱい先生がいるだろう。

 

担任でもない俺に どうしてしてきたんだい? 」

 

「 だって 先生 皆に好かれてるし 実際面白いし

 

きっと人を引きつけるテクニック 知ってるんだと思って。

 

そして 先生なら 相談のってくれるかなって思ったから 」

 

「 そうか 好かれているのか ありがたいね。

 

でもさ 俺 生徒を引きつけようなんて思ってなんかないよ。

 

先生としていい事言おうなんて事も 考えてない。

 

てれば分かるだろ。バカなことばっか言ってる。

 

ただウソはない。ありのままなんだな。

 

だから それ見て バカだな~ この先生って思っている生徒も

 

たくさんいると思うよ。ただな 授業の繰り返しが 今の俺の人生の主体だよ。

 

そこ 偽っていたら 人生ムダに過ごしている気がすんだな。

 

もったいない。俺そのままの姿で 生徒とつき合いたいんだよ 」

 

「 確かに 先生って 気負いがないよね。いつも元気で明るいし

 

こっちまで明るくなる 」

 

「 おお~ 初めて誉めてくれたじゃん。うれびー ハグしてやる 」

 

「 遠慮しとくって もう~ ホント バカ先生なんだから。

 

でも本当に喜んでるって分かるから 笑っちゃうんだよね 」

 

「 なっ そうやって バカにされてんだろ俺って 」

 

「 えっ・・・先生 そうじゃない バカになんかしてないって。

 

すいません そういう意味で言ったんじゃないですって。

 

バカにしてたら 相談なんかしないですって。

 

ろんな失敗談話してくれる先生だし それなのに明るいから

 

相談したくなったんですって 」

 

「 ふふ 冗談だよ。バカにされたなんて思ってないよ。

 

それにされても いちいち気になんかしてないよ。だ

 

って 俺 自分が大好きだから 」

 

「 何だ ビックリした。驚かさないで下さいよ 」

 

「 でも 今 自分で 何て言ったか分かったかい。

 

人が相談したくなるって  きっと その人物が 崇高だとか

 

権力があるとかじゃないんだよ。

 

自分の前で ありのままの姿でいてくれる人物だからなんだよ。

 

人間 ありのままなら 必ず失敗や弱みがある。

 

それを全てなんか無理だけど いくつか見せることができるんだな。

 

すると不思議と 相手も心を開いてくれる。それは 友達だって同じだよ 」 

 

「 そうか 先生って バカだか 利口だか 分かんないね 。

 

そんな先生に相談する俺って もっとバカだか 利口だか 分かんないね。

 

俺って ヒビリ屋なんだよね。ずっと そうだった気がする。

 

皆はどうなのかな? 」

 

「 ふっ それでいいんだよ。 その感じで 話せばいい。

 

なっ 答えは自分で出していただろう。

 

ただ それに気がついていなかっただけなんだよ。

 

本当の友達を作りたかったら ありのままの自分

 

つまり時には 自分の弱みも話すことだよ。

 

弱みを話すって 自分をおとしめることじゃないんだよ。

 

自分と相手の心を開いて

 

より多くの人と繋がる架け橋をかけることなと思うんだな。

 

てか おまえを見て 今思ったんだけど。

 

これだって 結局 おまえが 失を承知でいってくれたことで 

 

気がついたことだよ 」

 

「 分かりました。○○に話しかけてみますよ。

 

また何かあったら 来てもいいですか? 」

 

「 いいよ。待ってるよ 」

 

間もなく 彼は○○とも なかなか仲間に入れなかったグループとも

 

友達になれたようでした。

 

この中で 卒業後も ずっとつきあっていける友達が 

 

一人でもできればいいなと 願いながら 彼らを見ていました。

 

「 先生 サンキュー ほんとバカなんだか 

 

すごいんだか分かんないね 先生って 」

 

後に 彼から また言われた言葉は 

 

「 俺は幸せもんだな。ありのままでいるだけで 

 

ありがたがってくれる人がいるなんて。

 

世の中 必要とされていない人なんて いないんだな~ 」

 

と僕の心を幸せにしたのです。

 

ですから 今友達がいなくても 素直に自分を表現できる相手が

 

必ず出てくると思います。

 

それを 引き寄せる強い磁石を作っているのだと思って

 

焦らず 自分に栄養を与える毎日を送ればいいのです。

 

もし 娘さんに相談されたら そのように伝えてあげて下さい。

 

 友達は作ろうとして作れるものでなく

 

互いの生きざまが干渉しあって、自然に出来上がっていくのだと思います。

 

見栄を張りあう つき合いでは 本当の友達はできません。

 

自分の弱みをさらすことは 相手の心を開き

 

友情を育む架け橋になるのだと思います。

 

頼り過ぎはいけないが 互いに頼り

 

時には 相手のために 嫌なことも言ってくれる。

 

このような助け合いのできる拠り所があることは

 

人生にとって大きな財産だと思います。