-僕-
そうですか でもOさんと話していると
目上の方に失礼な言い方ですみませんが
とても正直だし 理論的で まとまりそうな気がするんですけどね。
-Oさん-
それは 先生が本土の人でも 沖縄を見下してしないって
分かったからですよ。
-僕-
見下す? どうしてですか?
-Oさん-
なぜですかね。基地に依存している我々を
未だに ギブミーチョコレートみたいな生活しやがって
恥を知れみたいな目で見る 本土の人もいるんですよ。
私 もう何度か そういう目で見られて 嫌な思いしました。
だから こっちでは こういう話はしません。
-僕-
そうなんですか 恥ずかしい考え方ですね。
じゃあ 今日は結構 特別なんですね。
-Oさん-
はい そうなんですよ。
沖縄でも ごく身近な所でしか話せません。
私も 本音が言えて スッキリしましたよ。
Oさんとの会話は続きますが 一区切りします。
それから10年以上経過してから 別の沖縄出身の道場生と
話すことができた時のことです。相手は大学生でした。
「 へぇ~ 沖縄出身なんだ。数年前 少女を暴行した事件で
大変だったよね。その後どう?反米感情は 激しいままかい? 」
「 あのすさまじい時に比べたら だいぶおさまったと思いますよ。
でも おさまってきて良かったですよ。正直言って
本当に米軍に出て行かれたら
自分は 大学に進学できていませんから 」
僕は 以前に Oさんと話すことができていたため
「 あ~ この青年の家庭も 米軍相手に生計を立ててきた家なんだな 」
と 推察することができました。
「 仕送りで 生活してんの? 」
「 いや足りないから バイトしています。オス 」
「 そうか 頑張ってな 」
「 ありがとうございます。そうだ あっちにいる時は
簡単なアルバイトあったんですが こっちにも あるのでしょうか? 」
「 どんなバイト? 」
面白いことを 聞いてくるなと思いました。
「 基地反対のデモに参加するだけで お金もらえるんです。
弁当も出るから 金のない自分みたいな者には ありがたいです。オス 」
「 何だそりゃ よく分からんな 」
「 自分もよく分からないのですが 座り込んで 大声で叫べば
お金もらえました 」
僕は この時 沖縄の基地反対に関係したバイトがあることを
初めて知りました。
「 ふ~ん。俺は知らないな~。君は基地に反対なの? 」
「 オス 実はどっちでもいいです。基地のことを考えたこと
ほとんどないですから オス」
「 うるさいとかないの? 普天間じゃないの? 」
「 オス 自分はうるま市出身なので 普天間のように
うるさくはないです 」
「 あっそう そういう場所もあるんだね。良かった。
それで どのくらいもらえるの そのバイト 」
「 オス 日当で1万以上はもらえます。弁当もついています。オス 」
「 また弁当か(笑) 食べ盛りだもんな。けっこうもらえるんだね。
こっちでも 探せば あるかもね。でも 普通のバイトの方がいいと思うぞ。
政治にかかわったバイトは しない方がいいよ。
政府や反対派に 顔写真撮られちゃうって話を聞くよ。
よく分からない大きな力に 利用されるって つまらないよ 」
「 オス 今のコンビニのアルバイトだけにします。ありがとうございます 」
このことがあってから テレビで流れる 基地反対や移転反対集会を見ると
「 この中の何人が お金のために参加しているのだろう? Oさんの言っていた
偽反対派と政治的利用者が 雇い主ってことなのか? どこまで本当なのだろう。
もし本当なら 国民のどのくらいが そういう裏事情を知って
見ているのだろう 」
と思うようになりました。
-終わり-
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