初めて沖縄を知った日15

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そうですか でもOさんと話していると

 

目上の方に失礼な言い方ですみませんが 

 

とても正直だし 理論的で まとまりそうな気がするんですけどね。

 

-Oさん-

それは 先生が本土の人でも 沖縄を見下してしないって

 

分かったからですよ。

 

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見下す? どうしてですか?

 

-Oさん-

なぜですかね。基地に依存している我々を

 

未だに ギブミーチョコレートみたいな生活しやがって 

 

恥を知れみたいな目で見る 本土の人もいるんですよ。

 

私 もう何度か そういう目で見られて 嫌な思いしました。

 

だから こっちでは こういう話はしません。

 

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そうなんですか 恥ずかしい考え方ですね。

 

じゃあ 今日は結構 特別なんですね。

 

-Oさん-

はい そうなんですよ。

 

沖縄でも ごく身近な所でしか話せません。

 

私も 本音が言えて スッキリしましたよ。

 

Oさんとの会話は続きますが 一区切りします。

 

それから10年以上経過してから 別の沖縄出身の道場生と

 

話すことができた時のことです。相手は大学生でした。

 

「 へぇ~ 沖縄出身なんだ。数年前 少女を暴行した事件で

 

大変だったよね。その後どう?反米感情は 激しいままかい? 」

 

「 あのすさまじい時に比べたら だいぶおさまったと思いますよ。

 

でも おさまってきて良かったですよ。正直言って

 

本当に米軍に出て行かれたら

 

自分は 大学に進学できていませんから 」

 

僕は 以前に Oさんと話すことができていたため

 

「 あ~ この青年の家庭も 米軍相手に生計を立ててきた家なんだな 」

 

と 推察することができました。

 

「 仕送りで 生活してんの? 」

 

「 いや足りないから バイトしています。オス 」

 

「 そうか 頑張ってな 」

 

「 ありがとうございます。そうだ あっちにいる時は 

 

簡単なアルバイトあったんですが こっちにも あるのでしょうか? 」

 

「 どんなバイト? 」

 

面白いことを 聞いてくるなと思いました。

 

「 基地反対のデモに参加するだけで お金もらえるんです。

 

弁当も出るから 金のない自分みたいな者には ありがたいです。オス 」

 

「 何だそりゃ よく分からんな 」

 

「 自分もよく分からないのですが 座り込んで 大声で叫べば

 

お金もらえました 」

 

僕は この時 沖縄の基地反対に関係したバイトがあることを 

 

初めて知りました。

 

「 ふ~ん。俺は知らないな~。君は基地に反対なの? 」

 

「 オス 実はどっちでもいいです。基地のことを考えたこと

 

ほとんどないですから オス」

 

「 うるさいとかないの? 普天間じゃないの? 」

 

「 オス 自分はうるま市出身なので 普天間のように 

 

うるさくはないです 」

 

「 あっそう そういう場所もあるんだね。良かった。

 

それで どのくらいもらえるの そのバイト 」

 

「 オス 日当で1万以上はもらえます。弁当もついています。オス 」

 

「 また弁当か() 食べ盛りだもんな。けっこうもらえるんだね。

 

こっちでも 探せば あるかもね。でも 普通のバイトの方がいいと思うぞ。

 

政治にかかわったバイトは しない方がいいよ。

 

政府や反対派に 顔写真撮られちゃうって話を聞くよ。

 

よく分からない大きな力に 利用されるって つまらないよ 」

 

「 オス 今のコンビニのアルバイトだけにします。ありがとうございます 」

 

このことがあってから テレビで流れる 基地反対や移転反対集会を見ると

 

「 この中の何人が お金のために参加しているのだろう? Oさんの言っていた

 

偽反対派と政治的利用者が 雇い主ってことなのか? どこまで本当なのだろう。

 

もし本当なら 国民のどのくらいが そういう裏事情を知って 

 

見ているのだろう 」

 

と思うようになりました。

 

-終わり-