-Oさん-
さあ そこまで考えたことないですから。そんな場所があったとしても
そこに移転するのは大変でしょうね。賛成反対で。
-僕-
候補地があがっても 移設までに何年もかかるってことですか?
-Oさん-
そうですね。でも受け入れるとおおむね決まったら 反対があっても
まず 動きませんよ。そしたら私達も なるべく そっちへ移り住みます。
-僕-
いや しっかり 決まってからの方が いいんじゃないですか?
生活かかっているんだから。
-Oさん-
いや おおむね決まったってことは 見返りに 国から
相当のお金をもらったってことですから まず覆らないですよ。
だから 早めに動かないと。
-僕-
そういうもんですか。そうしたら そこの土木 建築 不動産業者は
大喜びでしょうね。
-Oさん-
そうでしょう。相当 儲かると思います。
それに 私がそこに住んでいたならば きっと賛成していますよ。
他に産業がないのですから 基地と上手くやっていくのが一番でしょ。
-僕-
あれ? そうなると 移り住む前は 普天間基地移設反対と思っていても
今度は普天間基地移設賛成 になっちゃうわけですか?(笑)
-Oさん-
う~ん やっぱり 背に腹はかえられぬってことになっちゃうわけですよ(苦笑)。
-僕-
同じ人間でも 住む場所が変わると そうなってしまうなんて
ますます基地の賛成反対って 分かりにくいですね。
沖縄って 基地がある限り 格差社会が続き 基地がなくなっても
発展しにくいってことですか。県民は未来を考えると 悲しくなってきますね。
-Oさん-
そうなんです。私の好きだった沖縄は どんどんなくなっていく気がしますね。
私の家は 沖縄で言えば 平均的な生活レベルだと思います。
潤っている人に比べたら 比較になりませんが
それでも 特別貧しい家だとは 思っていません。
でも 将来を考えると 閉塞感に襲われるんです。
だから私は 東京に出てきたんです。
もしかして 今の仕事が上手く行って独立できるようになったら
家族を呼んで こちらで暮らしていくことになるかもしれません。
ただ やっぱり 沖縄が好きだっていう気持ちがあるんですね。
ずっと 場所は転々としているのでしょうが
先祖代々 沖縄で 暮らしてきたわけですから
私の代で 沖縄を捨てたと 子孫に言われると思うと
何とも言えない気持ちになるんですね。
・・・・今回のOさんとの会話はここまで。
そうそう 残念なことに このOさん 稽古がきつかったのか
仕事の影響なのか すぐに来なくなってしまったのです。
しかし Oさんの話は とても勉強になりました。
天皇と沖縄の話や中立国について 教わったのも Oさんでした。
沖縄に よくある苗字ではなかったと思うのですが
どうしても苗字が 思い出せません。
太い眉と手の甲に生えた毛だけはよく覚えています。
もう75歳くらいになっておられると思います。
-続く-
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