沖縄と天皇6

-Oさん-

ということは 先生も 天皇は 沖縄と日本を アメリカに売ったと

 

考えますか?

 

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いや そうは思いません。そうやって批判するのは 簡単だけれど

 

実際 そのおかげで 本土は主権を回復したまま 平和に発展して

 

こられたのだし 沖縄も 曲りなりに主権を確保しているわけですから。

 

ただ そう考えると 沖縄は確かに 犠牲になっていますよね。

 

結縄のこと 真剣に考えていませんでしたよ。

 

-Oさん-

良かった。安心しましたよ。実は私もそう感じているんです。

 

だから 昭和天皇はその時 地上戦で 大きな犠牲を 払わせた上

 

これからも 日本国全体のため 犠牲を強いられることになる沖縄のこと

 

申し訳なく 感じられたのではないですかね。

 

だから とても 沖縄の事 気にかけておられる。

 

あっ私 天皇崇拝者ではないですよ。

 

天皇にも 戦争の責任はあると思っています。

 

ただ この天皇の行動については 現実を見た時 

 

そのおかげで ここまで来たのに 

 

国民を アメリカに売った売国奴という表現は 慎むべきだと思うんです。

-続く-

 

今回のOさんとの会話はここまでです。

 

恥ずかしい話ですが 僕はOさんに出会うまで 

 

沖縄の基地は意識も していませんでした。

 

小さい頃 沖縄に基地があると知ってからも 深く考えもせず

 

それが 当たり前と感じて 過ごしていました。

 

GHQが 引き上げる時 沖縄在留を 希望したのは 

 

政治に関与しないはずの天皇だった。これを聞いた時は 驚きました。

 

沖縄に「 いつまでも犠牲者面するな 」という意見もあるし

 

確かにそれだけでは 前に進まないと思います。

 

恨み辛みを 子孫に言い伝えることは 良くないと思っています。

 

だが本土のほとんどの人間は 僕のように 沖縄に基地があるからこそ 

 

侵略されず来た事実の重さを忘れて 毎日を 当たり前のように

 

過ごしているのだと思います。

-続く-