バッタとふきのとう4

さて このバッタのように 耐える意味を僕に教え

 

僕を無言で励ましてくれた友達の話を もう一つ紹介します。

 

僕は 新潟の雪国で育ちました。

 

小学生の頃は 冬になると 何十センチにも積もった雪で 

 

町は一面 まっ白になっていました。

 

家の前で かまくらや 雪だるまを作って よく遊んでいました。

 

そんな中 複数で襲われ 雪の中にプロレス技(バックドロップ)

 

沈められたり 思いっきり握られた雪玉 ツララのかけらを入れた雪玉を

 

ぶつけられたり いじめの日は続いていました。

 

そんなある日 またいじめにあい 重い足取りで家路についていると

 

一面真っ白な世界に 赤いものが見えました。

 

近づくと 雪をのせた花でした。

 

この寒さの中 ずっしり重い雪を乗せたまま

 

真っ赤な花を咲かせていました。

 

花の前に行くと シーンとした世界で

 

時間が止まったかのようでした。

 

何も考えられませんでした。 

 

言葉がなくなった世界に 紛れ込んだかのようでした。

 

でも 何かを語りかけられているようで 耳を澄ませていました。

 

ガサッ

 

近くの小枝に積もった雪が 崩れ落ちました。

 

我に返った僕は 自然と 赤い花に 積もった雪を 払い始めました。

 

雪を全部払うと

 

「 僕も頑張るよ。ありがとう。今度 ここに来たら

 

また払ってあげるよ。きれいだよ。いや強いから美しいよ。

 

きれいだけだったら 雪の重みで折れちゃう。

 

僕のお父ちゃん言っていたよ。耐える強さがある輝きは美しいんだって。

 

だから 君は美しい 」

 

と話しかけました。

 

帰って母に聞くと それは雪椿という花だと 教えてくれました。

 

「 ふ~ん 雪椿か。覚えておこう 」

 

冬に咲く花などないと思っていた僕には とても魅力的な花でした。

 

この時 なぜか僕の中で 椿=耐える力という公式が 出来上がりました。

 

笑われると思いますが このあと僕は 家にあった

 

大島椿という整髪料が 気になるようになりました。

 

辛いことがあると 洗面所に置いてあった 椿油のふたをそっと外し

 

一滴だけ 手の平に乗せました。

 

ペロリとなめると あの赤い雪椿が思い浮かびました。

 

「 これで大丈夫。僕の耐える力が、雪椿みたいに強くなった。ありがとう 」

 

心に自信が湧き 不安だった心が 落ち着きました。

 

おまじないみたいなものですが 僕は信じていました。

 

それからは 冬に辛いことがあると

 

雪椿の場所に行き 雪を乗せて 美しく咲き誇る姿を見つめました。

 

見ているだけで 心が震えました。

 

「 ありがとう また元気もらったよ。お礼に雪払わせてね 」

 

僕は雪を払うと いつも 元気な足取りになり 家路に向かいました。

 

あっ もう一つ思い出しました。それ書いて 終わりにします。

-続く-