3年生になる春先の事でした。また複数で襲われました。
雪の上で 何度も投げ飛ばされました。
一人残され 大の字になって空を見て耐えていました。
その時でした。小さな音が聞こえてきたのです。
チョロチョロ チョロチョロ
「 何? 」
目を閉じて 耳を澄ませました。
音は 積もった雪の下から 聞こえてきていました。
「 雪が溶けてきているんだ 」
僕は目を閉じたまま 音を聞き続けました。
「 はっ! この一面の雪も 全部溶けて 土が顔を出すんだ 」
意味もなく「 大丈夫だ。ここでもうダメだって 決めちゃいけない 」
って思えました。
それから数日後 雪はどんどん溶け
雪の下から フキノトウが顔を覗かせました。
命の輝きを感じました。
これを発見した時 自然に笑顔になりました。
「 大丈夫 僕にも 必ず春は来る! 」
バッタや自然は 人間の言葉を 話せません。
しかし 地球に生きている生命は 共通の言葉を持っているのだと思います。
その言葉は 人間がおごりを捨てた時 聞こえてきて
僕らを励ましてくれます。本当に自然はありがたいものです。
大切なものは 当たり前過ぎて 普段は 気がつかないのです。
-終わり-
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