いじられキャラ3

すると

 

「 刀を外し 着物も脱ぎ ふんどし姿になれ。

 

そして 俺の又ぐらを くぐって ワンと泣き お許しください 」

 

と言えば許すというのです。

 

侍は言われた通りにして 子供を救うのですが 

 

バカ侍達は 「 それでも武士か 」と高笑いします。 

 

さらに 観衆まで

 

「 侍らしく戦って助ければいいのに 腕がないから

 

あんな ぶざまな姿を さらすことになったのだ。

 

だらしのない侍だ 」とバカにするのです。

 

僕は このような場面を見るたび 自分に起こったいじめを思い出します。

 

「 おんなじだな。他人に恥をかかせて喜ぶ。 

 

相手を支配することで 自分の方が上だと思い知らせる。

 

そしていい気持ちになる。最低だな。

 

僕も この侍と同じことを 何度もやれと言われ 

 

ついに一度 やりそうになった。

 

でも 途中でできなくなった。

 

だが やらなくて 本当によかった。

 

やっていたら きっと今も心の傷として 残っていたかもしれない 」

 

僕は いじめられている時 遊びに入れる条件として 

 

「 仲間に入れてもらいたかったら ミミズの這うマネをして

 

俺の又下をくぐって ワンじゃなく 私はミミズですと言え。

 

そしたら 考えてもやる。もしかしたら 踏みつぶすかもな 」

 

と言われていたのです。

 

そのたび 断って 一人ぼっちになっていました。

 

しかし 心の弱っている時 一度だけ 

 

ミミズの真似をして 彼らの またぐらを うねって渡ったのです。

 

それも 三人が並んだ トンネルのような空間を

 

バカにした笑いの中 うねって渡り切ったのでした。

 

-続く-