でも「 私はミミズです 」という言葉は どうしても言えなかったのです。
これを口にしたならば 自分が壊れてしまうと 感じました。
正座して 頭を地面にこすりつけた僕に対して
命令口調の声が 聞こえてきました。
「 どうした早く言え。時間切れだぞ。
あと10秒で言え。言えなかったら
もう一回 やり直せ。10 9 8 ・・・・ 」
迫りくるカウントと 周りから突き刺さる嫌な期待感。
「・・1」
バッ!
勢いよく 立ち上がった僕は
全力で 走って 逃げ去ったのでした。
そして またぐらトンネルをくぐってしまった自分を
ひどく攻め立てたのです。
自分がみじめで 嫌になりました。
「 僕は これからずっと ああいうことをしないと
仲間に入れてもらえないことに 多く出くわすのか。
いい、もううんざりだ。死んでしまいたい 」
いくらゲームであっても
その人のプライド(自尊心)を傷つけて 喜ぶようなものは
やって欲しくないと思っています。
僕はいたずら好きですが いじりという感覚が 好きではありません。
いたずらは 互いが楽しめるものです。
いじりというものが 遊びであれば
交互に いじりいじられ 楽しむものでないと おかしいと思うのです。
しかし この若いサラリーマンの会話のように
現在のいじりと呼んでいる形態は
いじり(複数) いじられ(一人)です。
さらに 一方的に いじることが しつこく繰り返されています。
もし 本当に いじられていることを 楽しんでいたとしても
限界というものがあります。
-続く-
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