いじられキャラ4

でも「 私はミミズです 」という言葉は どうしても言えなかったのです。

 

これを口にしたならば 自分が壊れてしまうと 感じました。

 

正座して 頭を地面にこすりつけた僕に対して

 

命令口調の声が 聞こえてきました。

 

「 どうした早く言え。時間切れだぞ。

 

あと10秒で言え。言えなかったら

 

もう一回 やり直せ。10 9 8 ・・・・ 」

 

迫りくるカウントと 周りから突き刺さる嫌な期待感。

 

「・・1」

 

バッ! 

 

勢いよく 立ち上がった僕は

 

全力で 走って 逃げ去ったのでした。

 

そして またぐらトンネルをくぐってしまった自分を

 

ひどく攻め立てたのです。

 

自分がみじめで 嫌になりました。

 

「 僕は これからずっと ああいうことをしないと

 

仲間に入れてもらえないことに 多く出くわすのか。

 

いい、もううんざりだ。死んでしまいたい 」

 

いくらゲームであっても 

 

その人のプライド(自尊心)を傷つけて 喜ぶようなものは

 

やって欲しくないと思っています。

 

僕はいたずら好きですが いじりという感覚が 好きではありません。

 

いたずらは 互いが楽しめるものです。

 

いじりというものが 遊びであれば 

 

交互に いじりいじられ 楽しむものでないと おかしいと思うのです。

 

しかし この若いサラリーマンの会話のように

 

現在のいじりと呼んでいる形態は 

 

いじり(複数) いじられ(一人)です。

 

さらに 一方的に いじることが しつこく繰り返されています。

 

もし 本当に いじられていることを 楽しんでいたとしても

 

限界というものがあります。

 

-続く-