話は最初に戻ります。
ベッキーが、どういう意図で、倍賞美津子さんの
この言葉「泣きたいときは一人で泣いて、自分の傷は自分で治す」
を取り上げたのかは分かりません。
実はこの言葉、中巻②で書いた内容と一致しているのです。
前々回のタマムシ3という話の途中、僕はこう書きました。
ケンがこの決意(自殺はしない)ができたのは、
数か月後のある事件(中巻②みぞれ事件)でした。
ただ、もう一歩進んだ本当の覚悟が決まったのは、
さらにその半年後くらいでした。
このもう一歩進んだ本当の覚悟こそ、
『結局、最後は自分でしか自分を救えない。
他人に頼っている限り、いじめはなくならない。
壊れた自分の心を治せるのは自分だけ』
だったのです。
これは、父と患者さんの会話から、気づかされたことでした。
表現は違いますが、同じことを言っているのだと思います。
これが本当に理解できた時、自分の心に大きな変化が起きます。
今まで悩んでいた自分がうそのように、
物事を素直に受け入られるようになってくるのです。
世界が変わり、物事は大きく前進します。
だから、ベッキーの取り上げたこの言葉は、
前向きに生きていくために、とても重要な気づきだと思います。
とてもよい言葉で、多くの人に知ってもらいたい言葉なのです。
でも、昨日ちょっと心配なことがありました。
この時期にこの言葉を取り上げたことで、
この言葉を曲解し、ベッキーに対して、
誤解を生む危険性をはらんでいるようだからです。
「何だよ、私は辛いこともあったけど、
お茶の間へ明るい姿を届けるために頑張ってきた。
その間いっぱい傷ついた。
自分の傷は自分で治さなくちゃいけないけど
無理。頼るものが欲しかった。
だからゲスと不倫したっていいたいのか?
急に弱い自分を表に出し、不倫を正当化しようとしているよな。
そして今はゲスに頼っているけど、最後は自分の傷は
自分で治さなくちゃいけないって考えているって、
何いい子ぶってんだよな。今さら遅いよ」
「そうだよな、自分で治すって、当然のことだろう。
自分がやったことなんだから。泣きたいときはってなんだよな。
これだとさ、世間の人の批判によって泣かされ、私の心は傷ついた。
でも、自分で治しますってか? 今度は被害者のつもりかよ」
「結婚できなかったら、どうすんだろうな?」
「えっ、できないだろ、不倫なんだもん」
「ダメージでかすぎるだろう」
「自分で治すんだろ。ははは」
電車の中、スマホでニュースをチェックしていた男性達が
こう話しているのが聞こえてきました。
ちょっと気になったので、帰宅してから、
インターネットで検索してみました。
すると、「泣きたいときは一人で泣いて、自分の傷は自分で治す」
という言葉は、ベッキーがラジオ番組のポジティブな言葉を
紹介するコーナーで、紹介した言葉だと分かりました。
-続く-
コメントをお書きください