幼少期の子供は、お母さんが、
自分や他人に対して どれだけ慈しみの言霊を発するか、
しっかり見て、心に焼きつけていくのです。
だから、何気ないことですが 、
お母さんの他人を思いやる言葉は 、
子供のやさしさの土台になるものです。
まったく、話は違うようなのですが、
弟はぷーちゃんというトイプードルを飼っています。
ぷーちゃんは、本当にやさしいワンちゃんで、 散歩していても、
散歩している中に 歩みの遅い人がいると、ちゃんと待ってくれるのです。
これは家族だからではなく、他人に対してもそうするのです。
そして、その人が皆に追いつくと、
「大丈夫?」 と、天使のようにかわいい顔を向けて来るのです。
そのぷーちゃんの、自宅での様子を見ていると、
弟の行動を、つぶさに見ています。
そして、弟もぷーちゃんを良く見ていて、
何かあると 「どうしたぷ~、大丈夫?」
と、聞いては、見つめて抱きしめています。
「人間も犬も同じなんだな~、
親(ぷーちゃんにとって、弟はパパです)の行動を 驚くほどよく見ている。
口で子供に、人を思いやりなさいと言っても 意味なんて良く分からない。
子供が心に焼き付けていくのは、 親が他人に示す行動なんだな~」
と、しみじみ思っています。
最近、他人の批判ばかりで、 思いやりを持たない子供が増えているといいます。
でも、思いやりのないとされる子供達は、
その親の背中を見て育っていることを 、
我々大人は、しっかり自覚しなければならないと思います。
最近も同じように感じることを経験しました。
御茶ノ水駅のホームでの出来事です。
待っていた中央線が入って来て、
反対ホームにも、ほぼ同時に総武線が到着しました。
両電車のドアの扉が開き、一瞬、両線の乗り換えを行う乗客で、
ホームがごったがえしたのです。
ドスッ!
総武線に乗り換えようと飛び出して来た乗客が、 少年にぶつかり、
そのまま反対電車に乗り込んでいきました。
男の子は、その場に勢いよく尻もちをつき、キョトンとしています。
「大丈夫? ケガなかったかい、びっくりしたね。ひどいね」
僕は急いで、男の子を抱き起しました。
-続く-
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