「大丈夫?」は思いやりの原点3

幼少期の子供は、お母さんが、

自分や他人に対して どれだけ慈しみの言霊を発するか、

しっかり見て、心に焼きつけていくのです。

だから、何気ないことですが 、

お母さんの他人を思いやる言葉は 、

子供のやさしさの土台になるものです。

まったく、話は違うようなのですが、

弟はぷーちゃんというトイプードルを飼っています。

ぷーちゃんは、本当にやさしいワンちゃんで、 散歩していても、

散歩している中に 歩みの遅い人がいると、ちゃんと待ってくれるのです。

これは家族だからではなく、他人に対してもそうするのです。

そして、その人が皆に追いつくと、

「大丈夫?」 と、天使のようにかわいい顔を向けて来るのです。

そのぷーちゃんの、自宅での様子を見ていると、

弟の行動を、つぶさに見ています。

そして、弟もぷーちゃんを良く見ていて、

何かあると 「どうしたぷ~、大丈夫?」

と、聞いては、見つめて抱きしめています。

「人間も犬も同じなんだな~、

親(ぷーちゃんにとって、弟はパパです)の行動を 驚くほどよく見ている。

口で子供に、人を思いやりなさいと言っても 意味なんて良く分からない。

子供が心に焼き付けていくのは、 親が他人に示す行動なんだな~」

と、しみじみ思っています。

最近、他人の批判ばかりで、 思いやりを持たない子供が増えているといいます。

でも、思いやりのないとされる子供達は、

その親の背中を見て育っていることを 、

我々大人は、しっかり自覚しなければならないと思います。

 

最近も同じように感じることを経験しました。

御茶ノ水駅のホームでの出来事です。

待っていた中央線が入って来て、

反対ホームにも、ほぼ同時に総武線が到着しました。

両電車のドアの扉が開き、一瞬、両線の乗り換えを行う乗客で、

ホームがごったがえしたのです。

ドスッ!

総武線に乗り換えようと飛び出して来た乗客が、 少年にぶつかり、

そのまま反対電車に乗り込んでいきました。

男の子は、その場に勢いよく尻もちをつき、キョトンとしています。

「大丈夫? ケガなかったかい、びっくりしたね。ひどいね」

僕は急いで、男の子を抱き起しました。

-続く-