正しく悩んで明日に感謝しよう

前回は悩むことは、無駄が多いと書きました。

でも、今回は悩むことは大切だという話です。

う~ん(?_?)って、思ってしまう方が

多くおられると思うので説明いたします。

僕は悩み方によっては、悩むことは無駄ではないと思っています。

いや、正しく悩んだ時、人間は成長するのだと思います。

僕は幼い頃、悩みに2種類あることを知ったのです。

その2種類とは、逃げるための悩みと進むための悩みです。

いずれにしても悩むことは辛いです。

人はなぜ悩むのでしょう?

今自分に起きている困ったことを解決したいからです。

これがスタートです。

当時に話を戻します。

いじめに悩んだ僕は、いじめだけでなく、

あまりに無慈悲ないじめを解決できない自分に悩み始めました。

自分がダメな人間に思えて仕方がなかったのです。

だから、なおさら相手を憎み愚痴を言うことで、

自分を慰めようとするようになったのです。

「僕は悪くない。なのに、ちきしょう。あいつら死ねばいいのに。

ふざけるな。死ね。死ね、死んでしまえ~。

俺の前から消えてなくなれ~」

って、延々と繰り返していました。

本題である「どうすればこの状態から抜け出せるか」については、

「どうせ言ってもやめないんだから」と、諦めていました。

そのくせ、「どうしてやめてくれないんだぁ~。反省しないんだぁ~」と、

わめいていたのですから(^_^;)。矛盾しています。

でも、それになかなか気がつけませんでした。

 

前向きに考えようとすると、

「いじめてくる相手の心を変えなくてはなくならない」

という、大きな壁を感じて、考えることができなかったのです。

この状態が良くなると信じることに、

強い精神力を求められている気がして、すぐ諦めてしまっていました。

これが逃げるための悩みです。

心に感じた不満をすぐに口にするだけで、

悩みと言っても、その正体は、

不安・憎しみ・怒りなのです。

何の解決もありません。

この悩み方は、不安・憎しみ・怒りの増加でしかないのです。

悩むことの目的、問題を解決する働きはどこにもないのです。

何とかしたいと悩んでいるつもりが、

ただの愚痴になっている自分を、長い間分からないでいたのです。

逃げるための悩みは、進むための悩みとより、ずっと楽なのです。

感情を吐き出しているだけだからです。

それだからこそ、ずっと長い間悩んでいられるのです。

これに対して、進むための悩みは、

問題を解決しようという働きそのものです。

最初はとても辛いです。

しかし、前向きに悩んでいると、

不思議なことに気持ちが元気を取り戻して来ます。

「ああしたい、こうしてみよう」とか、

やってみたいことがたくさんあったことに、気がつくからです。

こうなるとしめたものです。

心が生きていることを楽しむことに向かって行きます。

人間って不思議です。

楽しむことの方が、悩むことよりずっとしたいのに、

悩むことを選んでいることに気がつかないで、

「どうして苦しいんだろう?」って言っているのですから。

先ほども書いたように、逃げの悩みを続けるのは、

楽しむことを考えるより楽だからです。

このことに気がつくと、この悩みは元気がでるための悩みなのか、

無駄な悩みなのかを意識するようになります。

そして無駄な悩みだと分かると、

「もったいない、もったいない、時間を大切に使おう」と思えてきます。

良い解決策が浮かばなくても、少なくても、

マイナス思考の世界からは抜け出して、

時間を有意義に過ごすことができます。

小さな失敗を考えに入れれば、失敗のない日なんてありません。

だから、大きな失敗をしても、もう終わりだと思わないことです。

『終わったことは、諦めよう。だけど解決は諦めない。

きっと上手くいく』

これは弱気な僕が、失敗した時、いつも唱えるフレーズです。

ついでに、もうちょっと詳しく紹介します。

明日からどうしようと思ったら、こう考えてみて下さい。

「ああ、今日が人生最後の日でなくて良かった。

明日があるんだ。挽回して良く出来るチャンスがあるんだ。

だから今日は、そのエネルギーを蓄えるために良く寝よう。

いいことがある明日が待っている」って。

これ、僕が失敗した時、

小さい頃からやっている口癖です。

何度も高木に登り、飛び降りて死のうとした僕は、

「もうだめだ。ああ死にたい。せっかく生まれてきたのに残念だ。

でも苦しまずこのまま死ねれば」

と思って眠りにつくことが多かったのです。

ところが、次の日の朝、家族の笑顔に接した時

「死ななくて良かった。やっぱりこの家族が大好きだ」って、

そのたび思いました。

そして「頑張ろう」って決意して学校へ。

だが、また打ちのめされて飛び降りようと。

これを繰り返している間に、僕はしだいにたくましくなっていきました。

ケンカも強くなり、精神的にも前向きになっていきました。

すると一日生き伸びたおかげで、

少しずつ毎日が前進していることに気がついてきたのです。

いつしか僕は眠る前、こう思うように変わったのです。

「ああ、(この世が)今日で終わりでなくて良かった。

僕の一生が残念で終わらないですむ。

だって明日がある。

(状態はかわっていないけど)僕は少しずつ良くなっている。

明日が続けばきっといつか、乗り越えられる」

ピンチの時、嘆くよりも、明日があることに感謝しましょう。

 もう一つ、前向きに悩む手助けになる気づきがあります。

終わりのないことはない。

これは本で紹介しましたが、いじめの後で、気がついたことです。

これを知っていれば、どんなに楽だったかと思いました。

だから今いじめで苦しんでいる人は、

そのいじめは、いつか終わることを、知って欲しいと思っています。

これはいじめに限ったことではありません。

失敗した日は、その日で終わるのです。次の日は違う日なのです。

そうです。前に進む日なのです。

それなのに失敗した自分を責め続けていると、

いつまでもそのことに気がつきません。

失敗したら、自分を卑下してもいいです。

でも、卑下しながらも、

その1日を頑張って生きた自分は、認めてあげたいものです。

よく今日耐えてくれた。明日につなげるよって自分を元気づけましょう。

それができるようになってきてから、

僕はあまり悩み続けなくなりました。

僕は今も、上手くいかないことが続いた時は、

この気づきを口にして自分にいいきかせています。

今日は ここで終わりにします。