いや~ ものっすごく 久しぶりに
ブログを 見てみました。
すると ちぇさんから
メッセージが入っていました。ありがとうございます。
時間があったら また 書いて下さいね。
楽しみにしています。
いつも いきあたりばったりで 打っているので 前回何を思い出して書いていたのかすら 忘れていました。
そこで 前回の話を 思い出しながら 翔平君との 話に区切りをつけたいと思います。
では 始めます。
翔平君は 母親との関係に悩んでいました。
「自分を傷つける言葉を言ったけれども あの時は 母もいっぱいいっぱいだったんだと 先生と話していて 分かりました。そして母も謝ってくれました。それなのに どうしても許せないんです。どうしても 言い合うと あの時の言葉が頭に蘇ってきてしまうんです。どうすれば忘れられるのか分からない。俺は一生こうなんですかね。諦めるしかないんですかね」
「そうだよな 忘れられないんだよな。俺もいじめを謝られたけど いじめを忘れることはできなかったよ。相手は 一言謝って終わってしまう。でも 俺はそう簡単に終われなかった。自分でも 自分が壊れてしまっていることに愕然としたよ。心の傷は 体の傷とは違うんだよね」
「先生はどうやって 立ち直ったんですか? どうやっていじめを忘れたんですか?」
「いろいろ忘れるために試したよ。でもなかなか効果がでなかった。 ただ いろいろ試していく中で一つ分かったことがあったんだ。これに気がついてから だいぶ前進したと思う。これは 今でもいろいろなことに役立っている」
「いじめ用だけじゃないってことですか? 」
「そう 結局 いじめの期間に得られた気づきが 今の俺なんだよ。だから 今 そうやって悩んでいることは きっと君を強くしてくれるよ。でも 早く 忘れたいよね」
「はい。で、何なんですか 分かったことって」
「忘れたければ 忘れようと思わないことってことだよ」
「えっ? よく分かりません」
「不思議っていうか 天邪鬼っていうか 人の心って 忘れようと必死になるほど 心はそのことに向かってしまうんだよ」
「そうなんですか?」
「うん 不思議だよ。だから よく眠れなくて イライラするっていう人がいるだろう。悩む必要はないんだよ、そんな時は。起きちゃえばいい。そして めいっぱい やりたいことに集中すればいい。そうすれば ちゃんと眠くなる。それで眠れれば御の字さ。多少 睡眠時間は短くなるけど ああ いつもより 睡眠時間が少ないとか 考えない。むしろ 短時間だけど 睡眠が深くなったと考える。それでも眠れなければ 徹夜する。昼間眠くなったらどうしようと心配しなくていい。眠くなっても 5~10分 目を閉じて 目を開けると スッキリする。それからまた 目いっぱい働く。そうすれば ちゃんと 家では いつもより早く眠くなるし 横になるといつの間にか 眠ってしまっている。だから たまに今でも 眠れない日があると 俺は すぐ起きて やりたいことをやっている。一日くらい 眠らなくても 人は死なないよ」
僕の答えに
「でも 悩まないでおこうって 俺もよく考えるんです。でもできない。だから悩む。だから何の解決にもならないと思うんですが・・・・」
彼は 納得のいかない顔を向けてきました。
「うん 何て言うかな・・・悩むと悩んでいる自分が嫌で 早くこの状態から抜け出たくなるよね。でもそれでいいって 認めるっていうかな」
「それって おかしくないですか。どうして いいんですか? できないですよ俺。」
「そのできない自分の根っこを捜すっていうかな。負の連鎖はどこかで切らなくてはいけない。でないと永久に続くよ。トラウマを強化していくだけになる。どうして 断ち切れないのか? その理由に気がつけるかが まず第一歩だったと思う。俺が気がついたトラウマを消し去れない理由 トラウマをより強くしていく理由、
それは『どうして自分がこんな目に・・・自分は悪くないのに』っていう思いだった。・・・それを『そうだね』って 自分に語りかけるっていうか・・・共感していくんだ」
(この考え方の詳しいコツについては 「楽になりたければ生きていけ」の5冊目当たりに書いた記憶がありますが、まだあと3冊校正してないので 出たら見て下さい)
「えっ! そんなことしたら なおさら ムカついてこないですか?」
「そうだね。そう思うのも無理はないな。でも俺が言っている自分への共感は、それとは違うんだ。自分の方が正しいって気持ちを消していくっていえばいいのかなぁ~。俺はそういうふうに感じていた」
「じゃあ 結局 俺が悪いってことなんですか? 自分が悪いって認めればそうなれるんですか」
「ううん、そういう意味じゃないんだ。今の君の言葉には 怒りがまじっているよね。そういうものを切り離していくんだ。少しずつはがしていって 自分の気持ちを素直に受け入れるんだ」
「でも 実際 傷つけられた時 俺は悪くないですよ」
「確かにそうだと思う。俺もいじめに対してその思いがものすごく強かった。だってどう考えても理不尽だったから。顔にやけどの跡があるから気持ち悪い、生きている資格がないなんて、我慢ならなかった。だから 怒りの下で苦しんでいる自分になかなかたどり着けなかった。だから今俺が言った事を、俺自身なかなかできなかった・・・本当に1年半苦しんだ・・・考えると必ず『そうだ 僕は悪くないんだ。僕は被害者なんだ~』ってなった。そこで止まってしまっていた。怒りの下にある本当の自分にまで意識がたどりついていなかった。ただそうやって語りかけていくと
・・・憎しみとかといったものより・・・自分の気持ちに正直になっていく・・・
あっそうだ、そういった意味で自然は大切だよ。友達だよ。自然の中で悩んでいると、いつのまにか頭が澄み渡って来る。そして分かっているようで無視してきた自分に気がついて、はっとするんだ」
「で、先生の正直な気持ちって何だったんですか?」
「驚くほど単純なものだったよ。そうやって行きついたのは どうしようもなく悲しんでいる自分だった。『悲しい、とてつもなくただ悲しい』。はっとしたよ。悲しんでいる自分なんて 当たり前のように分かっていたつもりなのに 分かっていなかったんだ。結局・・僕はとても悲しいんだって分かった。この悲しい自分を ごまかすために 必要以上に 相手を憎んでいたことに気がついた。・・・そしたら心に変化が起きた。3年生の時どうしても もうダメだって感じた時 初めて頑張ってきた自分にごめんねって言えた。それまで 頑張れ頑張れって叱咤して 頑張れなかった自分を卑下して、どんどんだめにしていったのは自分自身だったことに気がついた。そしたら 僕は悲しい、本当に悲しいんだって 改めて気がついた。言葉はそれしかでてこなかったよ。そしたら 自分に言っていたよ。僕は悲しかったんだねって。僕、悲しかったんだね。でも 頑張って来てくれたんだねって。頑張って来てくれてありがとうって言葉が自然に出てきた・・・そしてボロボロ涙が出てきて止まらなかった。なんでか分からない・・だから 怒り憎しみの下にいる自分に共感するということなんだ。だから 確かに相手によって 心が傷つけられることは 誰にもあるけれど それをトラウマにしてしまうかどうかは その人によるんだと思う。こんなことされたんだから傷つくのは当然と相手を憎んでいるだけだとトラウマになっていく。もともとないものを自分で作り出してしまっていることに気がつかない。相手によって作り出されたものだと言い訳しているんだね」
「ああ~ なんとなく分かるような、分からないような。でもそういうことか。そうですね。俺は悲しいってより怒ってますよね・・・でも時間かかりそうですね」
「うん 人によっては あっという間に出来てしまう人もいるかもしれない。でも時間がかかっても いいんだよ。それは その時間がその人には必要だったんだよ。そして それに気がついても すぐ楽になれるわけではないんだ。ちょっとずつ 楽になってくる。そう心がちょっと軽くなったように感じられるんだ。そのほんの少し楽になった自分を認めてほめるんだ。これ大事だよ。すると きっと自分は戻れる。そして その時は 絶対に前より強い自分になっているって感じられるようになっていくよ。そのほんのちょっとした前進を喜んで 自信に変えていくんだ」
「本当に そんなこと感じられるんですか?」
「ああ、本当だよ。俺は 小学校時代 ここは嫌だっていう場所がいくつもあった。学校の校庭にしたって ミミズを食わされた場所に行くと 必ず鼻の中にミミズの匂いが蘇り 胃の中の物が口に逆流してきた。初めて暴行を受けた幼稚園の壁の前も嫌だった。そこで遊ぶことになると いつも 息を止めて走って そこを通り過ぎた。そういう場所がいくつもあった。でも そういった所にいっても 少しずつ平気になっていった。相変わらず 心臓がバクバクしたり 気持ちが悪くなったりするんだけれども 以前よりましになっている自分に気がついた。そのたびに 僕良くなっているって思えた。頑張れるよ、僕、絶対に戻れる。良くなっている。回復して来ている。そう、僕は心も体も強い健、そういう名前を神様からもらっているんだから 乗り越えられるって」
「そうか パッと すべてが 変わるわけではないんですね」
「う~ん。さっきも言ったように 人によるのかもしれない。俺は 少しずつだったな。でも 急に良くなれないからと 嘆かなくていいんだ。体の傷が治るのに時間がかかるように 心の傷だって癒やすのに時間がかかる。体の傷よりずっと時間がかかるんだ。だから俺にはそれだけの時間が必要だったということだと思う」
「なんで そんなに心の傷って 治るのに時間かかるんですかね」
「そうだね。俺は治る時こう思ったよ。さっきの うわべの心の中の下にある本当の自分が 臆病だったんだなって。結局 僕は治りたいなんて言ってたけれど この方が自分にとって都合がいいと 思っていたんだな。この方が今のみじめな自分を 人のせいにできるから 変わるのが怖かったんだなって」
「えっ! 先生の壊れた心を 元に戻したい気持ちが うそだった? そんなわけないじゃないですか」
「もちろんうそじゃない。心からそう思っていた。でも そのためにはどうすればいいかって時に ウソをついていたんだな。このままでいいってさ。 こわかったんだと思う」
「こわいって 何がですか?」
「漠然とした恐怖かな。自分は変わりたいくせに そうなった時 何が起きるのか どう対処すればいいのか分からないってことに おびえていたんだと思う。だから俺はずっと愚痴っていた。
そして こんな気持ちになるのは あいつらのせいだと 相手をののしっていた。相手を何とかして屈服させ 変えたかった。でも 結局 それは無理だと悟った。ならば方法は一つ 自分を変えること。そこで自分を変えることも試した。最初はいじめられているのは自分ではないと思い込む方法だった。でも これは俺をもっとダメにした。自分の心が死んでいくのを感じた。
(ここらへんは 出版されている上巻 「パチンコ」「魂は不滅?! ふざけるな」 に くわしく書きました。そして このせいで 自分の中に別の自分が出てきたこと。それぞれの人格の紹介は5冊目に 書きました)
そして 相手を変えるために自分の態度を変えるとか 逃げるために変わるとかではダメだと 気がついた。今を変え、本当の意味で今を生きるためには 捨てなくてはいけないものがあった。それが 僕は被害者、正義は僕にあるって思いだった。これがある限り 言い訳ができたから 手放したくなかったんだね。これが 一番大変だった」
(ここらへんの 葛藤も 4冊目 5冊目にありのままに書きました。出たら読んで下さい)
「う~ん、最後がよく分からなかったけど 、少し気が晴れました。ありがとうございました」
翔平君は スカッとはまでは いきませんでしたが 少し笑顔を取り戻して 帰って行きました。
その後 翔平君は 何度か 訪れましたが 最後 この答えを出してからは こなくなりました。
「先生 結局 俺の問題だったんですね。いや 俺が悪かったとかという意味ではなく そういうことですよね」
「そう そういうことだね。さすがだよ。俺よりずっと 答えにたどり着くのが早かったよ。きっと お母さんとの関係が良くなっていくと思うよ」
きっと 彼も 自分の心が嘘つきであったことに 気がつくことで 問題は 単純で 一歩踏出してみる覚悟ができたのだと思います。
本当に人間の心って 面白いものです。
本気で変われないのは そこに言い訳ができる臆病な自分がいて 変わりたくないから。忘れたいのに忘れられないのは 屈辱の日の自分に正義があったと思いたいから。また その人を忘れたくないからなのです。・・と、僕は思っています。
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ヤスコさん (土曜日, 08 6月 2019 06:06)
お久しぶりです。
この 確執が終了 の感じは、本当にそうなのよーて思う。
職場にいると、心が病んでしまうことがある人はたくさんいて、
同じ話をずっとされ、
悪くないよ
といつも同じ解答をしてしまう自分がいて、また同じ話をされ、、、、その人を面倒な人と思っていたが、、、、
その人は今も
正義が自分にある
と信じていること理解できたわ。だからなんだね、
シミジミ です。
けんちゃん ありがとう。